【カンナビノイドとは】

 カンナビノイドとは、大麻草に含まれる化学物質の総称で、植物性カンナビノイド、合成カンナビノイドなどがあります。カンナビノイドは、私たちの体の健康バランスを保つことを補助し、体内で産生されるエンドカンナビノイドに似た機能を持っています。エンドカンビノイドについては、後述致します。植物性カンナビノイドは、THC・CBD・CBNが三大主成分として知られており、近年においては、精神作用を起こさずに治療効果をあげるCBDが、ユーザーの皆様、医学会、科学専門家、美容業界、健康食品業界で注目を集めています。CBD・CBN・CBG以外にも、100種類以上のカンナビノイドがあり、研究や商品開発が進められています。カンナビノイドが医療・健康・日常生活において、効果があるのか、見聞を広め、情報を提供していきたいと思っております。※参考文献 CBDのすべて(晶文社発行)

 

【エンドカンナビノイドシステム】

 エンドカンナビノイドシステム(ECS)とは、体全体の恒常性の維持の為に休まず働いている、神経細胞・神経経路・受容体・細胞・分子・酵素が形成する複雑なネットワークです。恒常性とは、体外の環境の変動に関わらず、体内の環境が一定に保たれる事を言います。ECSは、体の主要な2つの機能を司っています。外部から、肉体的・感情的・心理的なストレスを受けた時に、体内のバランスを取り戻すと同時に、肉体的な快感、活力、健康状態を調整します。総合的に、恒常性を維持し、病気や老化を防ぐ機能があります。エンドカンナビノイド(内因性)は、体が自分で作り出す化合物です。ECSには、カンナビノイド(内因性・植物性・合成)を取り込むことに特化した、CB1受容体・CB2受容体が身体中にあり、エンドカンナビノイドが不足したり、適切に調整できない際に、CBDなどの植物性カンナビノイドを摂取することで各受容体と結合し、ECSが増強され心身の健康をサポートします。※参考文献 CBDのすべて(晶文社発行)

【 CBD (カンナビジオール) 】

  1. 【CBD(Cannabidiol)とは】カンナビジオールの略称で、大麻草、産業用ヘンプに含まれるカンナビノイドの一種です。世界保健機関(WHO)が、科学的根拠の調査などを実施し、治療の可能性を示す為の科学的根拠があり、乱用性や依存性がないことを報告しました。世界ドーピング協会においても、CBDはドーピング薬物規制対象から外されており、アスリートも鎮痛、リラックスの為に使用しています。日本国内において、規制対象となっているTHCのような精神作用や依存性がない為、CBDは日常生活で摂取可能となっております。
  2. 【CBDの主要な効能】制吐作用・抗けいれん作用・抗精神障害作用・抗炎症作用・抗酸化作用・抗がん作用・精神安定作用・抗うつ作用があげられます。
  3. 【CBDと疾患】アメリカの医療ジャーナリスト:ウーヴェ・ブレッシングの著書「The Cannabis Health Index」を参考にし、「CBDのすべて」の著者:アイリーン・コニェツニーがまとめた、CBDが効くというエビデンスが豊富な疾患を紹介していきます。アルコール依存症などの各種依存症・ALS・ぜんそく・自閉症・アルツハイマー病・不安神経症・関節炎・自己免疫疾患各種・がん・脳震とうや脊髄損傷・うつ病・糖尿病・線維筋痛症・炎症性腸疾患・片頭痛・多発性硬化症・悪心嘔吐・ニューロパチー・パーキンソン病・肥満症・PTSD・統合失調症・発作性疾患・皮膚病・睡眠障害・ADHD(注意欠如・多動症)などです。
  4. 【CBDの副作用】CBDの副作用について行われた研究は多くはないですが、目まい・倦怠感・眠気・多動・軟便・動悸などがあります。人それぞれ、エンドカンナビノイドシステムにおける、カンナビノイド受容体に差がありますので、摂取量は少量から始め、効果を確認しながら増やしていくことを推奨します。処方薬を摂っている方は、医師・薬剤師に必ず相談して下さい。
  5. 【CBD製品】製品は様々な種類があり、オイル・リキッド・カプセル・エディブル・ドリンク・化粧品などがあります。摂取方法により、効果発現時間・持続時間が変わり、吸収率(バイオアベイラビリティ)も異なります。自分に合う摂取方法と、安心できる製品を選びましょう。
  6. 【CBDの作用】CBDが人体にどのように作用するのか。体内のカンナビノイド受容体(CB1・CB2)は繊細な感知器の役割を果たし、体内の細胞を通過するカンナビノイドをいつでもキャッチできるように絶えず活動しています。CBDは、カンナビノイド受容体に間接的に作用することでECSを増強します。CBDが医療効果を発揮するもうひとつの方法があります。脳内にあるカンナビノイド受容体以外の受容体数種との結合です。CBDは、セロトニン5HT1A受容体とは直接結合し、不安緩和・鎮痛・嘔吐の抑制などに効果があります。疼痛知覚・炎症・体温などを調節するTRPV1受容体に直接働きかけます。CBDは、GPR55受容体をブロックし、骨粗鬆症を防ぎ、がん細胞の増殖を抑制します。CBDがPPARrを刺激することで、肺がんの成長を抑制します。PPARrの活性化は、アルツハイマー病に関連するアミロイドℬの沈着物を分解するのを助けます。PPAR受容体に作用するCBDは、将来糖尿病をはじめとする代機能不全の治療法のひとつになる可能性もあります。※参考文献 CBDのすべて(晶文社発行)

【 CBG(カンナビゲロール) 】

 CBG(カンナビゲロール)は、1964年に発見された、CBD,THCの前躯体です。大麻草が成熟していく過程で、ほとんどのCBGは、CBD,THCに変換されてしまう為、成熟後の大麻草には1%程度のみしかCBGは含まれていないと言われており、レアカンナビノイド、カンナビノイドの母とも言われています。主な効果としては、抗菌・抗真菌作用、抗炎症作用、鎮痛作用、神経保護効果、緑内障治療、乾燥肌改善、ニキビ治療、摂食障害などにも効果があると言われています。CBDと同様、THCのような精神作用や依存性がない為、日本国内においても摂取可能なカンナビノイドです。CBDは、カンナビノイド受容体に対する親和性が低く、エンドカンナビノイドを活性化させ、間接的にECSに関わるとされています。しかしCBGは、カンナビノイド受容体と直接相互作用するので、効率良く作用します。近年では、朝昼に摂取される方が多いようです。※参考文献 CBDのすべて(晶文社発行)

【CBN(カンナビノール)】

CBN(カンナビノール)は、新鮮な生の大麻草に微量に含まれるカンナビノイドです。CBNは実は、THCが酸素、光、そして温度にさらされることで生成されます。CBNは、CBGと同様に、成熟した大麻草から1%程度しか取れない為、レアカンナビノイドと呼ばれています。CBNは中枢神経系にはほとんど影響を与えず、さまざまな免疫細胞における免疫抑制作用と抗炎症作用として表れます。また細胞が生まれてから死ぬまでの周期を保つのを助けたりします。主な作用として、鎮痛作用、睡眠補助、骨成長、抗菌作用、抗炎症作用、抗けいれん作用、食欲増進、抗増殖作用などです。近年の研究では、経口摂取したCBNは肝臓で、CB1受容体によりよく結合する形に変換されるという結果も出ています。ユーザーの皆様は、リラックス効果・睡眠促進効果もあることから、就寝前に摂取される方が多いようです。※参考文献 CBDのすべて(晶文社発行)